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ICAD2011参加録

7月18日から21日までパリで開かれていたICAD2011(国際アルツハイマー病学会)に参加しました。今回の参加者は私と岡本教授の二人でした。

ICAD2011 会場









期間中のパリの天候は曇りないしは雨が続き、気温17℃という肌寒い天気が続きました。学会の話題としてはアミロイドPETの発表が昨年に引き続き多かったように思います。私がエントリーされた演題が事務局の手違いで、プログラムの本来の場所には無く、当日になってから2日間、それぞれ別の場所でポスターを張ることになり、大いに驚きました。昨年のICAD2010で提唱されていたPreclinical ADの発表が今回のICADにおいてもシンポジウムが組まれており目を引きました。Preclinical ADは通常の神経心理検査では正常に保たれるが、脳脊髄液や脳のFDG-PET、MRIの検査において異常所見を示し、臨床的にはMCIのレベルには至っていない段階とされます。このような疾患概念がなぜ出てきたかというと、認知機能低下がみられている時点では既に脳における病理学的変化がかなりのレベルまで出来上がっているものと考えられ、認知機能障害が出現する前の段階で治療を開始すべき(「先制医療:preemptive medicine」)という考え方があります。アルツハイマー病をはじめとする認知症性疾患に関する研究は絶えず進歩を続けており、病態に応じた病名を付け、その状態に応じた治療内容を行う時代もそう遠くないのかも知れません。しかしながら、これらの医療内容については十分な安全性の確認が必要であることは言うまでもありません。
帰国間際にクロード・モネが晩年を過ごし、多くの名作を残したジヴェルニーに立ち寄りました。その日のほとんどが雨と曇りでしたが、ジヴェルニーにいる間だけは陽が射し、木々の緑と陰影が素晴らしく、水面に映る風景に感動を覚えました。モネの家に入ってみると数多くの浮世絵が展示され、近くの風景とは全くかけ離れている画風でしたが、それらを見て独自の画風を確立した芸術家の想像力と創造力は偉大であると感激しました。(池田将樹)

 パリ第五大学・医学博物館にある
  「
Charcot臨床講義」画











   ジヴェルニーの風景         睡蓮の花

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